たより16 調味料 醤油について
醤油は、16世紀半ば頃、関西地方で誕生しました。
塩は陽性の代表的なものですが、醤油も陽性寄りの調味料であり、温める、締めるという作用があります。
~醤油の主な原材料~
醤油の主な原材料は「大豆」「小麦」「塩」です。とてもシンプルですね。
小麦は香り、大豆は旨み、塩は雑菌を寄せ付けないという特徴があります。
~醤油の主な種類~
☆こいくちしょうゆ…大豆と小麦の割合が同じで、最も多く生産されている。
☆うすくちしょうゆ…小麦を煎らない、小麦を煎る時間が短い、濃度の高い食塩水で仕込
み、甘酒を加えるなどして色を薄く仕上げている。
こいくちしょうゆよりも塩分が多い。
関西料理によく使われる。
☆たまりしょうゆ…小麦の量が少なく、大豆の量が多い。
濃厚なことが特徴。
中部地方でよく使われる。
☆しろしょうゆ…小麦の量が多く、大豆の量が少ない。
小麦を主原料とし、醸造中、糖分の溶出が最大になったところを熟成完了
にするため糖分が多い。
愛知県で生産。
☆さいしこみしょうゆ…大豆と小麦で作った麹を濃口醤油で仕込み再度発酵、熟成させる。
濃厚なことが特徴。
~醤油の作り方~
本醸造、混合醸造、混合の3種類
☆本醸造…市販醤油の多くがこの製造方法。
蒸した大豆と煎って砕いた小麦を混ぜ、種麹を加える。
↓
できた麹に食塩水を加えたもの(諸味)を発酵させた後、圧搾する(生揚げ醤油)。
↓
最後に発酵を止めるためと香りをつけるために火入れをする。
☆混合醸造…本醸造の諸味にアミノ酸液、酵素分解調味液、発酵分解調味液などを加え、発酵させた後、圧搾、火入れをする。
☆混合…本醸造の生揚げ醤油にアミノ酸液を混ぜ、火入れをする簡易な方法。
~醤油の添加物~
甘味料、着色料、調味料、酸味料、保存料、乳化剤、消泡剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防ばい剤、防かび剤などが使用されていることがあります。
原材料にアルコールと書かれているものもありますが、防黴のために添加されているものです。
添加物は、健康を損ねる原因になります。
原材料の表示を確認し、できるだけシンプルな材料で作られている商品を選ぶようにしましょう。
~醤油の主な効能~
☆食欲増進
☆唾液、胃液の分泌促進
☆消化吸収促進
☆食中毒菌を死滅
☆腐敗防止
☆肉や魚の生臭さを消す
☆食材を軟らかくしたり煮くずれを防ぐ
☆血圧、コレステロール、血糖値を下げる
☆糖尿病の予防、改善
☆便秘改善
☆腸内環境を良くする
☆抗酸化作用
~遺伝子組み換え表示について~
醤油の原料の一つである大豆は、遺伝子組み換え表示が義務付けられている農産物になりますが、醤油は醸造期間中に分解され、残留しないとのことで表示義務のない食品になっています。
しかし、遺伝子組み換えをしていない大豆を使用している場合、任意で表示することができるので、遺伝子組み換えではないと書いてある商品もあります。
~丸大豆と脱脂加工大豆~
現在、原料の大豆の多くが脱脂加工大豆を使用しています。
醤油を作る上で大豆のたんぱく質は重要ですが、油脂は製造過程でしょうゆ油として不要になります。
そのため脱脂した大豆(脱脂加工大豆)が使用されるようになったのですが、昔ながらの脱脂しないそのままの大豆(丸大豆)で作られている醤油もあります。
市販の醤油のほとんどは本醸造という製造方法になりますが、工場でタンクに仕込み、熟成期間を短く仕上げているものもあれば、蔵で桶に仕込み、蔵に住み着いている微生物の力も借りて長期熟成しているものもありますし、有機の原材料などを使用しているものもあります。
まずは、原材料欄など表示を確認してから選び、調理したときにおいしいと感じるものを使うとよいでしょう。
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