たより9 一物全体
「一物全体(いちぶつぜんたい)」や「全体食」というのは、命ある食べ物をまるごと頂くということです。
命あるものはすべて全体で調和がとれているので、部分ではなく全体を食すことによって、身体は生命力に満ちるのです。
穀物は精白していないもの、野菜は葉、皮、根なども、魚や肉はまるごと、アクは抜かずうま味に変える調理をする、茹でこぼしをしないなど。
勿論、全体と言っても、食べられない部分や有毒な部分、汚れている部分などは取り除きます。
実際調理してみると、皮をむかないので簡単、調理時間が短縮、ごみも少なくなります。
また、米であれば糠、野菜であれば葉、皮、根に栄養が豊富に含まれていますので、全体食をすることで、余すところなく栄養を摂取することができます。
いいことずくめですね。
料理教室へ通っていたころ、講師が、野菜の食べられない部分ギリギリのラインを包丁で切り取っていたことや葱の根を細かく切って料理に使う姿を見て、その丁寧な扱いぶりに感動したのを覚えています。
一物全体は、もったいないと思う心をもつ日本人にはぴったりの生き方なのではないかと思います。
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