たより37 血
中医学で血は、気と同様人体を構成する最も基本的な物質とされ、生命活動になくてはならないものと考えられています。
血というのは、食べ物が消化吸収されて変化したものです。
ということは、日々の食べ物の選択と消化吸収力が血の生成や血の質に大きな影響を与えるということです。
血の源になる食べ物が体に取り込まれた後、心の働きにより赤い血液となり循環し、肝の働きにより血液量が調整され、脾の働きにより血管から漏れ出ないようにしています。
また、血は人間の精神活動にも影響を与えます。
中国の昔の書物には「脈が調和、血流が流暢、即ち精神が安定」と書かれています。
では、血の不調を中医学的に見ていきましょう。
中医学では、血の症状を主に血虚、血瘀、血熱、血寒に分けています。
<血虚>
血の不足や機能減退の状態です。 出血過多、肝機能障害、飲食物の不足、消化吸収力減退などで起こります。 顔につやがない、顔色・唇・舌・爪が白っぽい、めまい、動悸、疲労、やせる、しびれ、関節が曲がりにくい、目がかすむ、目が乾くなど症状があります。
<血瘀> 血液循環障害です。 原因は、脂っこいものや甘いものの食べ過ぎ、ストレス、寒さなどさまざまありますが、血の流れが阻害されることで引き起こされます。 刺すような痛み、唇や舌が紫暗色、舌裏にはっきりした静脈があらわれている、青あざができやすいなど症状があります。 よく瘀血という言い方をしますが、瘀血とは血瘀の病理産物です。血の流れが悪くなり凝結することで瘀血を形成します。
<血熱> 熱を有し、血行が加速している状態です。 血尿、血便、吐血、鼻血、皮下出血、経血量増など出血傾向になったり、熱のため体内の水分を消耗し発熱、口渇、便秘などの症状があります。
<血寒> 寒さなどで血行障害になっている状態です。 痛み、皮膚が紫暗色になったり、冷えなどの症状があります。
生命を維持していく上でなくてはならない血 健康でいるためには、血液の質が大切です。
血液の質には、日々の食べ物が関わっています。
健康でいるために、血の源である食べ物を見直しましょう。
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