たより31 色について~白~
前回に続いて色の話です。
今回は、五行論の金に配当されている「白」についてです
まずは、五行論について前回と同じ内容ですが、簡単に説明をしておきます。
<五行論についての説明>
中国古代哲学に五行論というものがあります。
自然界に存在するものを木・火・土・金・水という五つの元素に分類するという考え方です。
月(陰)と日(陽)を足すと、1週間の曜日としてなじみがありますね。
【相生関係】相手を生じさせる関係
順序:木→火→土→金→水→木
木から火を生じる、火が燃えると灰になり土になる、土の中から金属が生じる、金属から水が生じる、水は木を成長させるという関係です。
【相克関係】相手を制御する関係
順序:木→土→水→火→金→木(相生関係の一つ飛ばしです。)
木は土の栄養を吸収する、土は水をせき止める、水は火を消す、火は金属を溶かす、金属は木を切るという関係です。
五行論では、この五つの元素の特徴と関連づけて、様々なものを五つに分類しています。
色では、青、赤、黄、白、黒の五つです。
木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒が配当されています。
季節とつなげると、青い春(青春)、朱い夏(朱夏)、白い秋(白秋)、黒い冬(玄冬)になります。
色以外に今回は季節・臓腑・感情に絞って紹介することにします。
<五行論の金について>
「金」は変革、清潔、降ろす、収斂などの特徴があります。
①季節では「秋」
人生の後半の時期を白秋期と言いますが、四季でも人生でも実りの時期に当たります。
②臓腑では「肺大腸」
肺では天の気を吸い込んで下へおろし、大腸では消化したものを糞便に変えるなどの働きをします。
③色では「白」
肺大腸、特に肺の不調は皮膚に白色として表れてきます。
④感情では「悲・憂」
泣くと呼吸が苦しくなることからわかるように、悲しみが多いと呼吸器に不調が現れます。
<白について一般的なイメージ>
雪、ウエディングドレス、紙、純粋、神聖、清潔、潔癖、白無垢、骨など
<食べ物に関する色の使い方>
白色食品には、里芋、自然薯、葛、豆腐、蕪、白ネギ、白木耳、大根、蕪、玉ねぎ、冬瓜、にんにく、らっきょう、蓮根、ゆり根、梨、塩などがあります。
そして、肺大腸が弱っている時に補助してくれるのは脾胃の黄色食品です。(相生関係:黄→白)
逆に、肺大腸の行き過ぎを抑えてくれるのは、心小腸の赤色食品です。(相克関係:赤→白)
加工された白色食品である精白食品、牛乳、薬などはできるだけ摂らない方が望ましいですが、赤色食品を摂って中和させましょう。
【おすすめの組み合わせ食品】( )内は補足程度です。
黄色食品…玄米、麦、きび、粟、大豆、じゃが芋、さつま芋、栗、レモン、はちみつ、南瓜、生姜、たけのこ、とうもろこし、菜の花、米味噌、麦味噌、ぬか漬け、卵、たんぽぽなど
(茶色食品は、ごぼう、どんこ、木の実、焦げ、焙煎したものなど)
赤色食品…赤米、たかきび、小豆、金時豆、梅干し、なつめ、クコの実、赤唐辛子、トマト、いちご、さくらんぼ、スイカ、赤味噌、赤梅酢、八丁味噌、ほうじ茶など
(橙色食品…あんず、びわ、みかん、人参など)
(ピンク色食品…鮭、桜の塩漬け、桃など)
<食べ物以外に関する色の使い方>
白色は、どんな色とも合う色であり、また清潔さもあります。
ただ、潔癖さが勝ち過ぎると、リラックスできませんので、そういう時にはオーガニックコットンやオーガニックの麻などオフホワイトのものを使ったり、また、食べ物と同じで暖色系の色と組み合わせるとよいでしょう。
光を通さない物体色の場合、白はすべてを反射し、黒はすべてを吸収します。逆に光を通す例えば布のようなものであれば、白は光を透過し、黒は光を遮断します。白い下着を着た場合、体へ太陽エネルギーが届きやすくなります。
色は放射熱を調整する効果があります。白や明度の高い色は、放射熱を反射し、黒や明度の低い色は放射熱を吸収します。白と黒で同じ条件下での車のルーフの温度差は20℃くらいの開きがあったそうです。白いヘルメットと黒いヘルメットを比較しても温度に差があるそうです。夏は白や明度の高い色で体温調節をしたり、インテリアでは部屋の温度を調節したり、白色家電で消費電力を抑えたりと、日常生活を快適にすることができます。
同じ重さでも色(明るさ、色み、鮮やかさ)によって感覚が変わります。
白を1とすると、黄1.13倍、黄緑1.33倍、水色1.52倍、灰色1.55倍、赤1.76倍、紫1.84倍、黒187倍。例えば、重いかばんは、白や明るい色にすると、軽く感じるということです。
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